「娘が小学校に上がるまでの7年で、千葉・勝浦に移住する」——これが我が家の目標です。そのための資金づくりで、我が家が一番大きく効かせているのが「固定費」の設計でした。
正直に書くと、その土台になっているのは実家暮らしです。「なんだ、実家なら貯まって当然じゃないか」と思われるかもしれません。半分は当たっています。でも我が家の場合、実家暮らしは「気づいたらそうなっていた」のではなく、移住資金を作るために意図的に選んだ7年計画の一部です。親が損をしない形にしつつ、浮いたお金を全額投資に回す——その仕組みの作り方こそが、この記事で一番伝えたいことです。
この記事では、我が家が実際に払っている住居・通信・保険の「実数」と、そこにどういう考え方があるのかを包み隠さず公開します。実家暮らしができない人にも持ち帰ってもらえるよう、金額そのものより「どういう思想でお金に向き合っているか」に軸を置いて書きました。
※お金・投資の話は、我が家の一例です。投資には元本割れのリスクがあり、最適な選択は世帯構成や状況によって変わります。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
住居費:家に「お金」ではなく「固定費」を入れる、という取り決め
我が家は実家に同居していますが、いわゆる「家に○万円入れる」形はとっていません。当初、親からは「月5万円くらい入れてほしい」と言われていました。ここで我が家が選んだのは、現金を渡す代わりに、親の分も含めて水道光熱費と固定資産税に相当する分をこちらが負担するという取り決めです。
なぜこの形にしたか。理由はシンプルで、親が損をせず、かつ我が家も納得できるラインを探した結果です。現金を毎月渡すと、それは親の「収入」になり、使い道も曖昧になりがちです。一方、家全体の固定費をこちらが持てば、親は生活コストが実質的に軽くなり、我が家は「タダで住まわせてもらっている」という後ろめたさが消えます。同居のいちばんの地雷は、お金の曖昧さから来るモヤモヤだと思っています。そこを最初に数字で握っておく。エンジニア的に言えば、揉めやすい部分を先に「仕様」として決めておく感覚です。
金額のインパクトも大きいです。もし同じ条件で都内に世帯向けの賃貸を借りたら、家賃だけで月15〜20万円はかかります。その差額をまるごと投資に回せているのが、我が家の資産形成のいちばんの原動力です。
ここは正直に線を引いておきます。この住居費のカラクリは、実家という前提があって初めて成立します。誰にでも真似できるものではありません。ただ、「家に現金を入れる」よりも「損得の構造を先に設計する」という考え方自体は、同居やルームシェア、二世帯住宅を検討している人にも応用が効くはずです。
通信費:夫婦4回線でも月6,000円。多層に組む理由
次が通信費です。ここは完全に自分の趣味と職業病が出ている部分で、夫婦で回線を複数持ちながら、合計を月6,000円程度に収めています。3大キャリアで普通に契約したら、夫婦で月1.5〜2万円はかかる感覚なので、ここでも月1万円前後を浮かせている計算です。
内訳はこうなっています。
| 契約者 | 回線 | 月額の目安 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 妻 | UQモバイル(au Starlink Direct込み) | 約3,000円 | メイン |
| 妻 | IIJmio | 約1,000円 | 仕事用のサブ回線 |
| 自分 | UQモバイル(au Starlink Direct込み) | 約2,000円 | サブ(あまり使わないのでさらに割引) |
| 自分 | 楽天モバイル | 0円 | 株主優待でメイン利用 |
| — | 自宅の固定回線(KDDI) | 約5,000円 | 光回線。UQのセット割の対象 |
ぱっと見ごちゃごちゃしていますが、狙いは3つあります。
① 楽天の株主優待でメイン回線を0円にする
自分のメイン回線は、楽天モバイルの株主優待で使えるものを充てています。株主優待の内容は年によって変わり得るものなので断定は避けますが、我が家では「メイン回線のコストをゼロにする」ために優待を活用しています。1台の端末で楽天をメイン、UQをサブにして使い分けています。
② UQ×固定回線のセット割で、家全体の通信を安くする
自宅の光回線がKDDI系なので、UQモバイルとのセット割が効きます。スマホ単体で最安を狙うより、「固定回線+スマホ」をまとめて設計したほうが世帯トータルで安くなる——これは格安SIMを選ぶときに見落とされがちなポイントだと思います。
③ 災害対策として衛星直接通信(au Starlink Direct)を確保する
夫婦のUQ回線には「au Starlink Direct」を組み込んでいます。これはスマホがStarlink衛星と直接つながり、電波の届かない山間部や災害時でも、空さえ見えればメッセージのやり取りができるという仕組みです。子どもがいる家庭にとって「圏外でも連絡手段が残る」のは、コスト以上に安心材料でした。
そして地味に効いているのが料金面です。2026年5月利用分から、UQモバイルの「コミコミプランバリュー」または「トクトクプラン2」を使っている場合、この衛星直接通信の専用プラン料金が無料になりました(対象外のプランだと4カ月目以降は月550円)。我が家はこの対象プランなので、災害対策の回線を実質タダで持てています。「防災のために追加コストを払う」のではなく「対象プランを選んだ結果ついてくる」形にできたのは大きいです。
※料金や適用条件は時期・プランによって変わります。契約前に必ずUQモバイル公式の最新情報でご確認ください。
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保険:加入するもの・しないものを「思想」で決める
固定費の3本目が保険です。我が家は保険を「なんとなく安心だから」で入るのではなく、何にいくらのリスクがあるかを考えて、入るもの・入らないものを分けています。
医療保険:我が家は「入らない」と判断した(ただし要注意)
民間の医療保険は、我が家では今のところ加入していません。理由は、日本の公的健康保険がかなり手厚いからです。高額療養費制度があるため、医療費が青天井になることは基本的にありません。だったら保険料を払い続けるより、その分を貯蓄・投資に回して自分で備えたほうが合理的だ、というのが我が家の考えです。
ただ、ここは強く釘を刺しておきたいところです。これはあくまで「我が家の判断」で、誰にでも当てはまる正解ではありません。公的保険では、入院時の差額ベッド代・先進医療費・治療中の収入の落ち込みまではカバーされません。自営業で傷病手当金がない人、貯蓄が薄い人、持病がある人などは、話がまったく変わってきます。医療保険が要るか要らないかは、世帯の貯蓄・働き方・家族構成で最適解が変わる、と考えておくのが安全です。
生命保険:一児の父として、今まさに検討中
正直に書きます。生命保険は「早く入らないといけない」と思いながら、まだ検討段階です。子どもが生まれた以上、自分に万一のことがあったときに、娘の養育費をカバーできる額の死亡保障は必要だと考えています。方針としては、子どもが独立するまでの期間をカバーする形(収入保障型など)を軸に検討しているところです。
「7年で移住を計画している一児の父が生命保険未加入」というのは、我ながら詰めが甘い部分です。ここは近いうちに結論を出して、選んだ保険と決め手を別記事にまとめる予定です。同じように「入らなきゃと思いつつ後回しにしている」人は多いはずなので、我が家のリアルな検討過程がそのまま記事になると思っています。
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我が家が生命保険を検討するのに使った/検討している相談サービスは、こちらから。
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自動車保険:弁護士特約に、本当に助けられた話
自動車保険は年4万円程度で、これまで大きな見直しはしてきませんでした。ところが先日、追突事故に遭い、この保険の「弁護士特約」に本気で助けられました。
事故に遭うと、通常は相手の保険会社と自分で直接交渉することになります。これが素人には相当な負担です。弁護士特約を付けていると、その示談交渉を丸ごと弁護士に任せられます。我が家の場合、交渉だけでなく「事故に遭ったチャイルドシートは安全のために買い替えたほうがいいのか、その費用は請求できるのか」といった細かい相談まで乗ってもらえて、精神的にとても心強かったです。
さらに実利の面でも、一般に弁護士が入ったほうが最終的に支払われる金額は高くなりやすいとされています。我が家の実感としても、特約を付けていて損はまったくなかった。むしろ「これは絶対に付けておくべき特約だ」と思いました。年間の保険料に対して、特約の追加コストはごくわずかです。子どもを乗せて運転する家庭ほど、付けておく価値があると感じます。
一方で、車両保険は外そうか検討中です。我が家の車は使用頻度が月1回ほど、年間の走行距離も3,000km程度と少なく、車両保険を使う場面がほとんど想定できないからです。ただ、移住すれば車は生活必需品になり、走行距離も一気に増えます。妻用に2台目を買う可能性もあります。車まわりの保険は、移住のタイミングで全体を見直す予定です。「今の生活」ではなく「移住後の生活」を基準に設計し直す——これも我が家の7年計画の一部です。
まとめ:固定費は「削る」より「思想で設計する」
ここまで我が家の住居・通信・保険を実数で公開してきました。改めて振り返ると、共通しているのは「なんとなく」で払っているものが一つもないことだと思います。
- 住居:現金ではなく固定費を負担し、親も自分も損しない構造を先に設計した。
- 通信:株主優待・セット割・災害対策を多層に組み、夫婦4回線でも月6,000円。
- 保険:公的保険で足りる部分は入らず、本当に必要な保障(死亡保障・弁護士特約)に絞る。
実家暮らしという前提は確かに大きいです。そこは正直に認めます。でも、その土台の上で「何にいくら払うかを一つずつ考え抜く」という部分は、住まいの形に関係なく誰でも取り入れられるはずです。固定費は、根性で削るものというより、一度きちんと設計してしまえば、あとは自動で効き続けるものだと考えています。
こうして浮かせたお金を、我が家は新NISAを中心に投資へ回し、7年後の勝浦移住に向けた資産づくりを進めています。
この固定費削減は、移住資金を作る「3本柱」の1本目です。全体像は「地方移住の資金はいくら?子育て世帯が新NISAで貯める全体像」でまとめています。
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